カテゴリー : 2012年 10月 8日

NewZealandの車窓から 025

Waimakariri川とサザンアルプスと

Broken川からさらに支流へと分かれた辺り

Waimakariri川を渡る

—– 以前書いていたブログより —– 2005.6.24

The TranzAlpine(Midland Line)003
今回は、川とTranzAlpine
TranzAlpineの車窓は、山と川が織り成す自然の美しさが中心となっていると言える。線路は川沿いを登り、トンネルで分水嶺を越え、また川沿いを下る。「Coast to Coast」この言葉を、211.27kmの区間に見ることができる。
クライストチャーチを出発した列車は、カンタベリー平野をひた走り、スプリングフィールドを過ぎた辺りから川沿い区間に突入する。Kowai川の鉄橋を渡り、次に見えてくるのがしばらく併走するWaimakariri川だ。Otarama渓谷などWaimakariri川が作り出した渓谷美を眺めながら、線路はWaimakariri川と一旦別れ、支流のBroken川沿いへと入って行く。そして、さらに支流沿いへと進み、少しの区間川から離れるが、またWaimakariri川に近づいて行く。トンネルを越えると、Otira川がすぐに見える。しばらくOtira川の流れとともに下り、Brunner湖を過ぎ、終着駅のグレイマウスが近づくと、Grey川が見えてくる。ニュージーランドの南島の川は、氷河を基点としているからか、エメラルドグリーンに見えることが多い。Waimakariri川もそのひとつだ。そして、言うに及ばないが水はきれいだ。
撮る方としては、一番渓谷のきれいなOtarama渓谷辺りに入っていきたいものだが、この周辺は道路は皆無。もし行くならひたすら歩くしかない…一度Broken川沿いの渓谷辺りを2時間ほどかけて歩いたが、そのとき見つけた場所は、その後霧に阻まれて行けず仕舞い…もし、「次回」があるなら、夏にこの周辺を撮ってみたい。

写真の説明
①Waimakariri川とサザンアルプスと
ニュージーランドでのベストショットかも…この光線は午前中で、TranzAlpineは逆方向に走って行く。よって、この向きで来る貨物を待ってみた。来るかな?と待つこと1時間以上…来た!!!

②Broken川からさらに支流へと分かれた辺り
この辺りの川は、裸足になれば渡れるほどの小川だ。でも、その河岸段丘は見事。この時は、運良く貨物が来てくれた。

③Waimakariri川を渡る
①の写真に写っている鉄橋を川沿いから撮ったもの。川の色わかるかな?この鉄橋は、国道から近かったから、何度も角度を変えて撮った。

NewZealandの車窓から 024

夏の山と貨物列車

アーサーズパス駅に停車中の機関車

冬の夕方

—– 以前書いていたブログより —– 2005.6.23

The TranzAlpine(Midland Line)002
タイトルをTranzAlpineとしながらも、貨物の写真…
ということで、今回はTranzAlpineが走るMidland Lineの説明から。
ニュージーランドの南島は、有名なサザンアルプスを筆頭に、南北に山脈が連なっている。その山脈を横断する唯一の鉄道が「Midland Line」だ。山脈を横断するだけに、その車窓の美しさは世界的に有名だが、その工事は難航したようだ。特にアーサーズパス駅からすぐのOtiraトンネルの工事はは、雨や雪、氷、そして複雑な岩盤に悩まされた。1908年に開始された工事は、15年という時間を要した。そして、1923年このOtiraトンネルの開通でMidland Lineは全通となった。
トンネル工事以外でも、スプリングフィールド~アーサーズパス間では、渓谷を縫うようにして線路を敷く必要があったために、16ものトンネルと5つの大掛かりな鉄橋が造られた。現在は、この区間の車窓が一番の見所となっている。
Otiraトンネルは約9kmあるが、開業当時から1998年までは、急勾配のため電化されていた。現在使用されているDX機関車(ディーゼル電気機関車)の登場により、電気機関車は姿を消した。余談だが、これにより南島から電車が姿を消したことになる。
この路線を敷設した理由には、西海岸で産出される石炭の輸送があった。当時西海岸は人口は少なく、当初から人員輸送よりは貨物輸送に注目していたようだ。現在でも、この石炭輸送は多く、TranzAlpine以上にこの路線の存在価値を保っているように感じる。ただ、ニュージーランドの長距離旅客列車においては、TranzAlpineが最も有名で、旅客数も断然多く、長距離旅客輸送の最も成功した例となっている。

写真の説明
①夏の山と貨物列車
線路沿いは牧草地となっていて、茶色の時期の方が多い。バックの山は森林限界を越えた険しい山だ。

②アーサーズパス駅に停車中の機関車
一応、TranzAlpine牽引している機関車を撮った。駅の周辺はかなり高い山々に囲まれていて、トレッキングコースがいくつかある。その内の一つアバランチピークへのルートでは、森林限界を越えた辺りで駅を見下ろせるようだ。

③冬の夕方
太陽が山に隠れるギリギリの光で通過。バックの山は、1コマ目の山の近くだ。夏に比べると1ユニット短い編成で運転されているが、それでも他の長距離旅客列車の倍の長さだ。

INFORMATION