NewZealandの車窓から 024

夏の山と貨物列車

アーサーズパス駅に停車中の機関車

冬の夕方

—– 以前書いていたブログより —– 2005.6.23

The TranzAlpine(Midland Line)002
タイトルをTranzAlpineとしながらも、貨物の写真…
ということで、今回はTranzAlpineが走るMidland Lineの説明から。
ニュージーランドの南島は、有名なサザンアルプスを筆頭に、南北に山脈が連なっている。その山脈を横断する唯一の鉄道が「Midland Line」だ。山脈を横断するだけに、その車窓の美しさは世界的に有名だが、その工事は難航したようだ。特にアーサーズパス駅からすぐのOtiraトンネルの工事はは、雨や雪、氷、そして複雑な岩盤に悩まされた。1908年に開始された工事は、15年という時間を要した。そして、1923年このOtiraトンネルの開通でMidland Lineは全通となった。
トンネル工事以外でも、スプリングフィールド~アーサーズパス間では、渓谷を縫うようにして線路を敷く必要があったために、16ものトンネルと5つの大掛かりな鉄橋が造られた。現在は、この区間の車窓が一番の見所となっている。
Otiraトンネルは約9kmあるが、開業当時から1998年までは、急勾配のため電化されていた。現在使用されているDX機関車(ディーゼル電気機関車)の登場により、電気機関車は姿を消した。余談だが、これにより南島から電車が姿を消したことになる。
この路線を敷設した理由には、西海岸で産出される石炭の輸送があった。当時西海岸は人口は少なく、当初から人員輸送よりは貨物輸送に注目していたようだ。現在でも、この石炭輸送は多く、TranzAlpine以上にこの路線の存在価値を保っているように感じる。ただ、ニュージーランドの長距離旅客列車においては、TranzAlpineが最も有名で、旅客数も断然多く、長距離旅客輸送の最も成功した例となっている。

写真の説明
①夏の山と貨物列車
線路沿いは牧草地となっていて、茶色の時期の方が多い。バックの山は森林限界を越えた険しい山だ。

②アーサーズパス駅に停車中の機関車
一応、TranzAlpine牽引している機関車を撮った。駅の周辺はかなり高い山々に囲まれていて、トレッキングコースがいくつかある。その内の一つアバランチピークへのルートでは、森林限界を越えた辺りで駅を見下ろせるようだ。

③冬の夕方
太陽が山に隠れるギリギリの光で通過。バックの山は、1コマ目の山の近くだ。夏に比べると1ユニット短い編成で運転されているが、それでも他の長距離旅客列車の倍の長さだ。

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